憧れ ページ21
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北斗side
Aの部屋の前を通ると半分開いたドアから聞こえる賑やかな声。面会時間に友達が来てるなんて珍しい。
ジ「あれ？Aのところお友達きてんの？」
樹「そうみたいよ〜？」
北「珍しいね」
ジ「あーんなに盛り上がるなら、いつも呼んだらいいのに！」
何人か来ているのか、わいわいと楽しそうな声が漏れ聞こえる。体調が相当落ち着いてる時じゃないと面会に人呼べないっていうのもあるけど、いいよスッピンだし…なんて言って、長い入院生活で数えるほどしか友達を呼んだのみたことない。
慎「うわ！めずらし！A友達呼んでんの？最近ママすらあんま呼ばねーじゃん！」
ジ「よかったよ楽しそう」
Aの部屋の前を通りかかった慎太郎も、ジェシーと一緒に嬉しそうにしてる。
樹「なんかさー…」
ジ「なに？」
樹「いや、まあいいや楽しそうだし」
何か言いかけた樹と目が合った。
慎「俺見てこよっかな！入っていいかなあ部屋！」
ジ「だぁめだよ！友達と楽しませてあげなきゃ！」
慎「そうだよなーくそー！気になる！」
樹「あはっもう面会時間終わるし友達帰る時ここの前通ると思うよ？」
慎「あっそうか！あーでも戻んないとなー」
ジェシーと慎太郎が去った後、俺にだけ聞こえる声で呟く。
樹「………変だよな？」
北「…なんかあるね」
面会に友達を呼ばないのはスッピンなのが原因なわけじゃない。1人だけ普段その輪にいないことが寂しくなるし、羨ましくなっちゃうからっていうのが本当の理由なわけ。
それなのに、再度の入院で気分の落ちてたAがなんの理由もなく友達を呼ぶかね？
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続く (更新停止中)
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作者名：siro | 作成日時：2024年1月4日 17時
