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樹side
『リハビリ、樹とするの？』
樹「今日ヘッドアップと積み木だけだからねー。歩行になったら高地か慎太郎かな〜」
『ねえ、やりたくない』
樹「それは先生に言ってよ」
『…言ってくれる？』
樹「俺は言わない。言うなら自分で言いな」
『…ケチ』
イヤイヤ言ってても部屋で宥めてればいいんだし、処置室連れてくより100倍楽。今は走って逃げたりもできねぇし。
樹「じゃあ上げてくよ。辛くなったら言って」
『…ん』
ちょっと無理矢理始めちゃえば、意外と素直に頑張ってる。
樹「気分悪くない？一回戻すよ」
『ゃ、まだ、へーき…』
樹「ムリすんなって。ゆっくりね」
『もうちょっとできそう』
高「お。頑張ってる」
樹「おー何？きたの？」
高「Aがちゃんとやってるか心配だから見に行ってってジェシーに頼まれてさ」
『がんばってたって、言う？』
高「これは言うね」
『へへ』
高地に褒められて嬉しそうな顔。じゃその調子でねってホントに見に来ただけの高地が行ったあと、手で積み木を重ねていくリハビリを始めたんだけど、順番逆だったなぁ…
『……っできない』
樹「大丈夫。そしたらまた1段目からやってみ？」
『…も、やだぁ！できない！できない！』
樹「怒ってもできねぇよ。最初はそんなもん」
震えの残る力の入らない手で積み木を重ねてくんだけど、すぐに倒しちゃってイライラしてる。
『〜〜っ』
樹「A。積み木バーってすんのはナーシ」
机の上に並んだ積み木がAの両手で振り落とされる。高地からいい報告を受けただろうジェシーに、俺は逆の報告をしなきゃいけないっぽい。
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作者名：siro | 作成日時：2024年1月4日 17時
