今日はこんな日2 (ページ1)

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入院はいやページ1

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北斗side

ああ、来てよかった。
予約時間を20分過ぎて、そろそろ確認で電話を入れようとしていたところだった。

『…ほっくん』

北「お嬢さん、もう呼ばれてたよ」

『……ん』

俯いたまま俺の隣をトボトボ歩く。

退院して、週一で通院になったA。最初の3ヶ月は時間通りに来ていたのに、先々週も先週も遅れてきたと記録してあった。段々と遅刻が目立っていて、来院時の機嫌もイマイチ。

完全に、よくない傾向。

京「お、おつかれ。学校帰り？」

『………ぅん』

京「そう」

遅刻が目立ってきたことも機嫌が悪いことも、京本だってもちろん気づいてるだろうけど、触れずに診察してる。

『もういい？』

京「あと検査だけしてきてね」

『…………今日は、帰りたい』

京「帰っちゃうの？せっかくしに来れたんじゃん」

『……嫌だ』

入院生活の長い子は、気持ちのバランスをとるためにどうしても多少なりとも幼児退行するもの。入院が長くて実年齢より幼くみえていたAは、退院して通院に変わってから相当大人っぽくなった。見た目もそうだけれど、精神面も。

注射も検査も年相応に我慢出来るようになっていたから、拒否する言葉を久しぶりに聞いた。少し驚いて京本を見ると京本も同じだったのか一瞬目があった。

京「採血と点滴だけ。他は今日はしない。どう？」

『…っ、いやだってば！』

Aはそう言って立ち上がったと思ったら、フラっとよろめいて後ろに倒れた。

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