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you side
特にタクシーの中で会話もなく、目的地へ到着。
斉藤「2人で」
壮馬くんがそう言って、奥の個室へ案内される。
「壮馬くん、なんかご機嫌ななめだね」
斉藤「当たり前です、もう話題に入っていいですか?」
「…いいけど、壮馬くんの相談は?」
誘った理由ってそれだよね。
壮馬くんが相談したいことがあるって。
私はそう思って、少しでも話題が逸れればいいな、と淡い期待を込めながらそう聞く。
斉藤「あぁ、俺の悩みは(人1)さんが俺に相談してくれないことです」
「え!?」
斉藤「タクシーに乗るなり、運転手を異常に見たり、名前のプレート探してたり、俺が話しかけると挙動不審だし、その癖なんにも話してくれない」
「うっ」
斉藤「(人1)さん、俺、正直まだ(人1)さんが好きです、隙あらば奪う覚悟です」
「壮馬くんの開き直り具合が逆に怖い」
壮馬くんにそう言われると、最近の私はゆるゆるで、仕事とプライベートのオンオフの切り替えがちゃんと出来てなかったんだな、と1人で反省。
斉藤「…(人1)さんが悩んでるときって大体江口さん関連なんですよ」
「え…」
いきなりそう言われ、私はハテナを浮かべる。
……いや、振り返ってみればそうだったかもしれない…。
斉藤「だから今回も、江口さん関連か、江口さんには言えない話なのかなと思って、それなら俺が話聞かなきゃって、思ったんです」
「で、でも後輩には…」
斉藤「そういうとこですよ」
「え?」
斉藤「後輩の前で中途半端にかっこつけないでください、俺だって男だし、好きな女性には頼られたいです」
真っ直ぐ正面から壮馬くんにそう言われ、私は黙ってしまった。
…確かに顔に出すだけ出して、何も言わないのはただのかまってちゃんというか、話聞いてください、としか言ってないよね……。
「…ごめんね、壮馬くん」
斉藤「……すみません、俺今言いすぎました」
「ううん、いいよ、その通りだし」
ここまで言われてしまった。
そして、ここで私が自分のせいだ、と塞ぎ込んでは、そういうことじゃない、と壮馬くんはまた怒るだろう。
「…じゃあ、聞いてくれないかな、私の悩み」
私がそう言うと、壮馬くんは静かに頷いた。
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すもも*(プロフ) - みく。さん» ありがとうございます!最後なので豪華にしてみました!!こちらこそ最後まで読んでくださり、ありがとうございました!! (2021年3月30日 20時) (レス) id: 21cf1f4707 (このIDを非表示/違反報告)
みく。(プロフ) - 完結おめでとうございます!まさかの3人集合お助け(?)パターンだったとは・・・!占ツクを離れるのは寂しいですが次の作品に出会える事を祈ってます!本当に良い作品をありがとうございました(*^^*) (2021年3月30日 7時) (レス) id: fff187bddf (このIDを非表示/違反報告)
すもも*(プロフ) - サチさん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです!!最後まで本当にありがとうございました! (2021年3月29日 8時) (レス) id: 21cf1f4707 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 完結おめでとうございます!ずっと読ませて頂きました。色々な事情があり、占ツクも辞めてしまわれるのは残念ですが、また機会があれば作品を作りに来て下さい!素敵な作品ありがとうございました! (2021年3月28日 22時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
すもも*(プロフ) - みく。さん» 林田さん怖いですよね笑誰が助けてくれるのか色とりどりで私も悩んでいます、、。ありがとうございます! (2021年3月25日 8時) (レス) id: 21cf1f4707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すもも* | 作成日時:2020年12月28日 16時