声優界最強姉弟5

最悪 ページ12

you side




慎也「めっちゃ美人だと思った！お前何してんの？」




いきなり口調も緩くなり、私は嫌悪感で鳥肌が立った。




「…裏方の、仕事みたいな」




嘘はついてないけど本当のことは言いたくないから上手く誤魔化す。




慎也「へえー！てかお前携帯変えたろ？連絡しても繋がんねえの、交換しようぜ〜」




丁度信号が赤になり、そんなことを言われる。




「あー…今日ちょっと携帯置いてきちゃって」




慎也「えー、じゃあこれにメルアド書いて」




メモを渡され、私は迷う。




あんまり話したくないんだけどなあ。




慎也「ほら早く」




「…」




なかなか受け取らず渋っていると、信号が青になり、メモ帳が離れる。




慎也「…俺さ、後悔してんの」




「…え？」




慎也「体がどうとかで別れてさ、実際あの時も美人だったし、今もめちゃくちゃ美人だしさ」




勿体ないことしたわー、と笑いながら言っている。




……今更そんなこと言われてもムカつくだけなんだけど。




褒めてるの顔だけだし。




慎也「まあさ、考えといてよ、彼氏は？」




「…結婚前提にお付き合いしてる人がいるの」




慎也「…お前が？」




「うん、凄く今幸せで、彼を傷つけることは絶対にしたくないんだ、だからメルアドも教えられない」




しっかりそう言うと、黙ってしまう慎也。




慎也「…なにそれ」




「えっ」




急にタクシーを止めてこっちを向く。




「ちょっとまだついて…」




慎也「今私は幸せの絶頂だから元彼の俺は邪魔しないでくださいって？」




シートベルトを外して、私の方をちゃんと向く慎也。




私はすぐ逃げられるように手をドアノブの方へ移動する。




ちゃんとバックも握りしめる。




慎也「……燃えるわ」




「は？」




慎也「お前ここら辺なんだよな、仕事現場」




「何言って」




慎也「…俺の知らねえやつと結婚なんかさせるかよ」




………最悪なことになった。

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