声優界最強姉弟5

仕事 ページ11

you side




「じゃあ行ってきます」




江口「行ってらっしゃい」




そう言って江口の家から出る。




エレベーターに乗ってから自然と上がる口角。




…私も人のこと言えないな。




片手で頬を抑えて、必死に笑みを堪えながら、幸せを噛み締める。




今日1日、凄い頑張れる気がする。




タクシーを拾ってスタジオに向かう。




運転手「お客さんが今日は俺の1番目のお客さんですよ」




「？あ、そうなんですね」




運転手「今日は天気がいいですね」




「そうですね、洗濯物もよく乾きそうです」




運転手「ですね、そういえばスタジオってことは何かやってる方なんですか？」




どうやら今日の運転手さんはよく喋りかけてくれるようだ。




しかも声が若い。




「まあ、そうですね」




運転手「女優さんですか？お客さん美人だし」




「いやいや、女優なんて恐れ多いですよ」




笑いながらそう答えると、バックミラー越しに目が合う。




運転手「ってお前(人1)か？」




「っ……し、慎也」




私のトラウマの原因である、元彼の慎也。




私に告白してきた挙句、私が体を許さないばかりに浮気してさらには開き直って私が悪いと豪語していた男だ。





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小説の方も不穏な雰囲気でスタートです。。

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