6.初めましての感情 ページ7
.
「白石杏子です。よろしくお願いします!」
鍛練を終え、帰ってきた善逸さんと獪岳さんに改めて自己紹介をする杏子さん。
「お、お、女の子?!?!じいちゃん朝言ってた
ヒャアァァァァ、と言葉にならない叫び声をあげる善逸さん。
お顔なんてもうゆでダコのように真っ赤だ。
「相変わらずうるせぇんだよお前は!……俺は獪岳だ、よろしく」
善逸さんとは真逆で落ち着き払った獪岳さんは、一言善逸さんにつっこんでから礼儀正しく挨拶をしていた。
「おっ俺は、我妻善逸!善逸って呼んでね杏子ちゃん〜んふふふっ」
獪岳さんに続いて自己紹介をした善逸さんを見て、杏子さんはあることに気がついた。
「あれ…顔がすごい汚れてるよ!どうしたの?」
杏子さんはすかさずポケットから可愛らしい柄のはんかちを取り出して、善逸さんの顔に着いていた汚れを拭き取ってあげていた。
「うぇっ、あ、杏子ちゃん?!せっかくの可愛いはんかちが汚れちゃうよ?!」
「いいのいいの!気にしないでっ」
善逸さんは申し訳なさそうな顔をしながらも、内心はとっても嬉しそうだった。
「…………あ、私、そろそろご飯の準備をしてきますね」
ずっと無言でその光景を見つめていたが、なんだかいたたまれなくなって静かにその場を離れた。
…なんだなんだ、この気持ちは…
なんだか心にもやがかかっているような、よく分からない感情が急に胸の中に押し寄せてきた。
「……ほんと、急になんなの…?」
突如現れた今まで感じたことのないもやもやとした感情に、私は動揺を隠せないでいた。
.
70人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねみぃ - とっても面白いですっ!早く続き見たいなぁ! (2020年8月3日 14時) (レス) id: 1946505169 (このIDを非表示/違反報告)
ろびこ(プロフ) - すごく面白いです!応援してます!! (2020年8月1日 17時) (レス) id: cb3f601968 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきの子 | 作成日時:2020年7月28日 2時