5.新しいお弟子さん ページ6
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______それから私が目を覚ましたのはお昼を少し過ぎたぐらいのことで…
「あっ、師範!Aちゃん起きました!」
意識を取り戻した途端、まず最初に耳に入ってきたのは聞き覚えのない声だった。
そして声のした方に視線を向けると、私の足元辺りからこちらを心配そうに覗いている見知らぬ女の人がいた。
「え…、誰…でしょうか…」
気付けば私の口からは純粋な疑問の声が出ていて、女の人を凝視しながらゆっくりと上半身を起こした。
「よかった〜、ここに着た途端、あなたが倒れてたからとっても心配だったの!目を覚ましてくれてよかったよ〜」
そう言いながら目の前の女の人は屈託のない笑顔を浮かべた。
か、可愛い…
同じ女の私から見ても、目の前で笑顔を浮かべている彼女はとても可愛らしく映った。
「え、えっと、あの…。私はここでお昼寝をしてただけなので…。ご心配をおかけしました…」
「なんだ〜そうだったんだね」
私が恥ずかしくてもごもごしながらそう伝えると、女の人は安心したようで、ほっと一息ついていた。
するとそこへ、おじいちゃんが義足をコツコツと鳴らしながら歩いてきた。
「これA、こんな所で寝るなと前にも言ったじゃろう」
「ご、ごめんなさい…」
おじいちゃんに呆れられ、えへへ…と苦笑いを浮かべていると、おじいちゃんは急に コホンッ と小さく咳払いをした。
「A、此奴が今朝儂が言っておった
「あ…!なるほど、あなたが…!」
私がハッとした顔をすると、杏子さんはニコッと微笑んだ。
「自己紹介が遅れてごめんなさい。改めまして、白石杏子といいます。今日から師範の元でお世話になります。よろしくね、Aちゃんっ」
「こっ、こちらこそ!よろしくお願いいたします!」
杏子さんは礼儀正しく私にお辞儀をしてくれたので、私も焦ってお辞儀を返した。
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ねみぃ - とっても面白いですっ!早く続き見たいなぁ! (2020年8月3日 14時) (レス) id: 1946505169 (このIDを非表示/違反報告)
ろびこ(プロフ) - すごく面白いです!応援してます!! (2020年8月1日 17時) (レス) id: cb3f601968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきの子 | 作成日時:2020年7月28日 2時