12.ありがとうの桃 ページ14
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「できた!」
仕上がった羽織を広げてしっかり縫えているか再度確認する。
「……うん、どこも問題なし!」
羽織をたたんで裁縫道具を箱に戻していると、戸口がガラガラッと開いた音が聞こえてきた。
「Aちゃーん!帰ったよー!」
途端に善逸さんの元気な声が聞こえてきて、自然と笑顔がこぼれた。
私はたたんだ羽織を胸に抱えて戸口へと向かった。
「おかえりなさ……」
出迎えるとそこには、両手いっぱいに桃を抱えている三人が立っていて驚いた。
「ど、どうしたんですか!その桃たちは…」
「これ私たちからAちゃんに、傘ありがと〜の気持ち!」
そう言ってニコッと笑った杏子さん。
「えぇ…そんないいのに…わざわざすみません…」
ただ傘を渡しに行っただけでこんなにお礼をされるのはとても恐縮だったけれど、三人の気持ちがとても嬉しくて心がほっこりした。
「傘さしてたから何個か落っことしちゃって少なくなったんだけど…ごめんねぇ」
善逸さんはそう言ってシュンと落ち込んでいた。
「ふふっ、本当にお気持ちだけでも十分なぐらいですよ。ありがとうございます。」
そう言うと善逸さんはパアッと明るくなって、良かった〜 とニコニコしていた。
本当はここで杏子さんに羽織を渡そうと思っていたけど、杏子さんの手は桃でいっぱいになっていたため後で渡すことにした。
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ねみぃ - とっても面白いですっ!早く続き見たいなぁ! (2020年8月3日 14時) (レス) id: 1946505169 (このIDを非表示/違反報告)
ろびこ(プロフ) - すごく面白いです!応援してます!! (2020年8月1日 17時) (レス) id: cb3f601968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきの子 | 作成日時:2020年7月28日 2時