これは恋ではない。 (ページ3)

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部室に着くと鞄を置いて、中からジャージを取り出す。
それを部活の女子専用の更衣室に持って行って着替えた。

秋「あ、円堂君今日遅れてくるよ」

隣で着替える秋が話しかけてきた。ちなみに部活で3年は私だけ。なので敬語はやめて欲しいと皆んなに伝えている。
一年生はそれが出来ないみたいだけど。

『あーみたいだね。さっきしゅう君から聞いた。数美先生に捕まるなんて…；』

秋「無事に乗り切れたらいいんだけど…；」

二人は苦笑いで苦労してるであろう円堂の姿を思い浮かべた。

グラウンドに着くと皆んなはストレッチをしていた。

『風丸、円堂来るまで走り込みの声かけとかお願いね』

風丸「あぁ。円堂からも頼まれたからな」

染岡「簡単にこっちに来るとは思えねぇけどな」

松野「なんせあの数美先生だからねー」

鬼道「サッカーの練習時間がかかってるんだ、根性論でなんとかするだろう」

豪炎寺「だな」

ひとまずアップの走り込みを始めることに。いつもは円堂と風丸が先頭で二列になるが、肝心の円堂がいないので風丸の隣に豪炎寺が来た。

やっぱり、不思議な感じだなぁ。また私の前に修也がいるなんて。

春奈「Aさんほっぺた緩んでますけど、どうしました？」

全く自覚がない。隣に座る秋に聞いてみるとニコニコの笑顔が帰ってきた。
そんなに緩んでたか。

『なんか、人生どうなるか分からないなーって』

夏未「中学生が言うセリフじゃないわよ」

『いやーそうなんだけどさ。そう思うしかないんだよね。偶然会えたとか、もうそれってさ、運命じゃん？』

秋「3年ぶりの再会だもんね」

春奈「数字だけ聞いたら短いかもしれないけど、意外と長いですよね」

『そうそう、全然そんなことないんだよね』

前屈みになり頬杖をつく。
ほんと、3年って凄いわ。

あの時とは体格も顔立ちも違う彼を見て、時の流れは恐ろしいと思った。