追伸 ━━━━━。【獪岳】

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『生きてさえいれば何とかなるんだ』

『死ぬまでは負けじゃない』









正直私には獪岳の考えは理解し難かった。でもそう言ってのけた彼の目があまりにも真っ直ぐで前を向いていたから、私は彼の隣で死ぬまで生きたいと思った。









それが、私が私に見つけた、この世で生きるたった一つの意味だった。









口から独特の呼吸音を出し刀を振るう。飛んでくる刃をぎりぎりで躱し、やっと鬼の頸に刃が届いた。









斬り落とした鬼の頭は、私たちに対する恨み辛みを叫びながら消えていった。鬼になった者は骨も何も残らない。









惨めな人生だ。









鬼がいた場所を、ぼーっと眺めていたら息を切らせた獪岳が駆け寄ってきた。









「鬼は！？ってお前ひでぇ怪我してんじゃねぇか」









獪岳は私の手を問答無用で掴み、座らせた。生き残った隊士から布を貰い、私の腕をきつく縛り止血する。









真剣な目で手当てをする獪岳を虚ろな目で見ていたら、溢れるように言葉が出た。きっとずっと言いたかった。満帆になって、入りきらなくなった言葉が私の口から零れた。









「すき」

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