雪の日、僕らは確かに永遠を誓った【竈門炭治郎】

26日 ページ26

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最後まで言う前に、炭治郎が私を搔き抱いた。









「だったら俺が、Aさんの涙をこうやって拭うし、頭も撫でるし、いつだって抱き締めます」









言葉を必死に紡ぐ十五の少年。私より年下なのに、腕を回した背中は大きくてこの世で1番頼もしいと思えた。









もし神様がいるのなら、時間を止めてとお願いする。でも神様なんていやしないから。現に時間は無情に流れていく。









前と逆転した立場。炭治郎が私を抱き締めて、私の頭を撫でる。









炭治郎の腕の中で、こんなことを思った。









私は炭治郎の笑顔が大好きだ。いつまで見ていられるか分からないけれどいつもつも、いつまでも笑っていて欲しい。時には涙を見せてくれてもいいから。その涙を拭うことは出来ないけど、ずっと傍で話を聞き続けてあげる。









それから、君が笑いたい時に笑って、泣きたい時に泣ける場所。そこがどうか私の隣でありますように。私が死んだあとはちゃんとそんな人を探してね。炭治郎より先に死ぬ女は君のような優しい人に相応しくないみたい。









愛してるなんてよく分からないけど、溢れてくるこの気持ちが愛って言うなら、私は炭治郎を愛しているんだと、彼の腕の中で漠然と思った。




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