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炭治郎は私が言った言葉が理解できなかったのか、呆然としていた。それを咀嚼するのにかなりの時間を要してようやく彼は口を開いた。
「なん……で……。俺はっ!俺はまだAさんのことが好きです、昨日まで好きでいてくれたじゃないですか!!」
叫ぶように告げられた想いに胸が痛くなる。違うの、本当はまだ好きなんだと言いたかった。私の身勝手な行動は全部君のためなんだと心の中で正当化する。
嫌いになって、私のこと。炭治郎が私のことを嫌いになってくれたらもう未練なんてないから。だからさ。そんな雪の日以上に悲しい顔しないでよ。
「……本気ですか」
「当たり前じゃない」
スンと炭治郎が匂いを嗅ぐ仕草をした。恐らく匂うのはしのぶさんから頂いた香水の香りだ。
「そんなのつけられたら、嘘か本当か分からないじゃないですか……」
ボソッと消え入りそうな炭治郎の声を、私の耳は正確に拾った。炭治郎はそのまま立ち上がって、眉を下げて困ったように笑った。十五の少年にそんな大人の笑い方をさせているのは、間違いなく私だ。
「楽しかったよ。ありがとね、竈門くん」
「…………こちらこそありがとうございました、入江さん」
私の最初で最期の恋は、私が望んだ通り終わった
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あかね(プロフ) - 春巻さん» 炭治郎いいですよね……!良かったです、そう言っていただけて嬉しいです(^^)ありがとうございます、これからも頑張ります! (2020年5月27日 19時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
春巻 - 炭治郎大好き民なので凄い勢いで読んでしまいました(笑)気づいた時には涙腺崩壊(´;ω;`)ウゥゥとっても素敵なお話でした!これからも頑張ってください(*'▽') (2020年5月27日 18時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 遥さん» うえ!こんなちんけな作品をそう言って貰えて喜びの舞です!!嬉しいです、ありがとうございます!! (2020年4月26日 1時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - どうやったらこう、素敵なお話が書けるんですかぁ〜〜(´TωT`)とても泣けました!ありがとうございます(泣)突然馴れ馴れしいコメントすみません。 (2020年4月26日 1時) (レス) id: c53d9db867 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - うすすさん» そう言っていただけるなんて恐縮です!嬉しいコメントありがとうございます! (2020年3月10日 10時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかね | 作成日時:2020年2月3日 23時