13日 ページ13
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寒かった冬をようやく乗り越え、ふきのとうが芽吹く最後の月に入った頃だった。修行中、同門の獪岳と手合わせをしている時。弐の型を繰り出そうとした時足の力がふと抜けて、思わず座り込んでしまった。立て、立て。私の異変に気づいたのか、獪岳が近寄ってくる。
「おい、Aどうした?」
「ごめん、なんでもない」
木刀を杖代わりにしてやっと立てたと思ったら、一歩踏み出した瞬間ふらついてしまい、獪岳に支えられた。最近稀にあるのだ。手足がつりやすくなったり力が入らなかったり、
「……ごめん」
「今日の手合せはやめだ」
「え、」
なんで、という言葉は声にならなかった。獪岳が私にこれ以上言うなと言わんばかりに制止の素振りを見せたから。
「どうしても手合せしてぇならカスんとこ行け」
「……わかった」
仕方なく、善逸が修行している稽古場に行く。
「姉貴!どうしたの?」
「手合せして」
「ええ〜やだよぉ姉貴強いもん」
「なら俺がやる! 勝負勝負ゥ!」
「いいけどこのあとね」
くるりと炭治郎を探すが見渡した限りどこにもいない。私が彼を探していることに気づいたのか、弟弟子の顔はニンマリと口角が上がり、からかうように目が細められる。腹が立ったので木刀を持って先へと進んだ。
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あかね(プロフ) - 春巻さん» 炭治郎いいですよね……!良かったです、そう言っていただけて嬉しいです(^^)ありがとうございます、これからも頑張ります! (2020年5月27日 19時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
春巻 - 炭治郎大好き民なので凄い勢いで読んでしまいました(笑)気づいた時には涙腺崩壊(´;ω;`)ウゥゥとっても素敵なお話でした!これからも頑張ってください(*'▽') (2020年5月27日 18時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 遥さん» うえ!こんなちんけな作品をそう言って貰えて喜びの舞です!!嬉しいです、ありがとうございます!! (2020年4月26日 1時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - どうやったらこう、素敵なお話が書けるんですかぁ〜〜(´TωT`)とても泣けました!ありがとうございます(泣)突然馴れ馴れしいコメントすみません。 (2020年4月26日 1時) (レス) id: c53d9db867 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - うすすさん» そう言っていただけるなんて恐縮です!嬉しいコメントありがとうございます! (2020年3月10日 10時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかね | 作成日時:2020年2月3日 23時