柱もかまぼこ隊の様子もおかしくて草しか生えない【鬼滅の刃】

百卌 ページ45

物思いに耽っていると、鬼の気配を感じた。後ろだ。距離はそこまで近くはない。




好都合にもきっとその鬼の的になっているはず。噂のためか、夜道を歩いている人は私達しかいないから。




『煉獄さ……ん″！？』




煉獄さんの名前を呼んだら彼の人差し指が私の唇に当てられた。




「君も昨日煉獄になったばかりだろう？」




未だかつて見たことないほど、妖艶な笑顔を見せる煉獄さん。そうだった、私達夫婦(っていう設定)なんだった。昨日結婚したんですね。新婚ホヤホヤですね。




いや、まじで煉獄さん顔いいな？見とれてしまったよ。




惚けていたら腕を引かれて路地裏に入った。人目のつかないところを選んだらしい。一瞬で判断するその判断力はさすがとしか言いようがないけど。




煉獄さんの顔近い。近いんだが。




「A」




耳元で囁かれて背中がゾクッとする。





『な、んですか？煉…杏寿郎さん』




すると煉獄さんは満足そうに微笑み、顔を近づけてきた。




鬼の気配が近づいてくる。そっちに気を取られて、目の前の煉獄さんに気づかなかった、なんて人間失格な言い訳をするつもりは毛頭ないが、気づかなかったのだ。




私の唇に自身のそれを重ねた煉獄さんに。

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