ヒトトセ、何度も恋をする【煉獄杏寿郎】

春夏秋冬.11 ページ11

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涙を流し始めたセンジュロウくんを撫でていると、タンジロウくんが私に向き直りました。









「奥さんには次の言葉を預かっています。えっと…… ヤ ブラガーダレン ボグ ザト シュトムイ フストレーティリシェ」









あまりの日本語読みに何を言っているのか、最初は分かりませんでした。が、その言葉を何度も何度も反芻するうちにようやく意味が分かりました。









「Я благодарен Богу за то, что мы встретились」
(あなたと出会えてよかった)









そうあなたは伝えたかったのですね。意味がわかった途端、私の涙腺が崩壊しました。いつの間に私の祖国語を勉強していたのですか。こういうのは直接伝えるものなんですよ。









タンジロウくんはあなたと同じ燃えるような瞳を持っていました。赫灼の瞳、その瞳には紛れもなく私の探していたあなたがいました。









死してなお、あなたは誰かの心の中で輝き続けるのだからあなたは私の誇りです。









タンジロウくんから伝えられた言葉をお義父さまが聞いた時、お義父さまは泣いてました。あれからお義父さま、お酒やめたのですよ。

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