【あでぃしょなる・たいむ！】9 ページ32
「Aが食べさせてくれるんだったらいいよ」
「……おい。それはさすがに……」
凪全肯定botの玲王も少し引いた。Aはというと、小さな口にめいっぱい頬張りながら、モシャモシャと咀嚼している。それを見て凪はリスみたい、と漠然と思った。
長い時間をかけてようやく飲み込んだAは、配布されるお手ふきで手を拭き、何を思ったのか凪の頭を撫でた。
『わんわ』
沈黙が流れたが、それは玲王の笑い声ですぐに終わりを告げた。
「ンッフフ……凪、おま……Aに犬だと思われて……ハハッ」
凪は不貞腐れたような表情を浮かべるが、Aは関係なく凪の頭を撫で続ける。
『おっきいわんわ！かわいいねぇ』
小さなもみじは暖かい。存外それは悪くなく、犬扱いは少し不服だが凪は撫でて続けて欲しかったのでそれを受け入れた。
「俺の宝物たちが尊い……」
和やかな癒しムードに完全に絆された玲王は天を仰いだ。
「クサオ、早く食え。そこ拭けねぇだろ」
家事スキルの高さゆえ台拭きをして回っていたメイド・バロウがやってくる。ちなみに普段はこの仕事はAがやっていた。
「クサオはやめろ、Aに悪影響」
『くしゃお？』
「ほら。違うから。俺は凪ね。言ってみて」
『なじ』
「……誠士郎でいいや」
早々に見切りをつけ、やっと体を起こして食べようとすると、ずいっと口元にやってくる肉。
『はい、せーしろーくん。あーん』
にぱっと笑ってAが肉を差し出す。
『どぉ？おいちい？』
「……うん、今まで食べた中で一番美味しい」
その光景を見て玲王がふらつきを見せた。嫌な感じがした馬狼はAを抱き上げた。本当はめちゃくちゃ嫌だが、馬狼は幼児に優しいタイプの強面なので、凪の隣に座る。しかしそれによって玲王とは離れてしまった。
『れおくんにも……あーんしたい』
ガシャーーーン！！！
「「玲王ーーーー！！！」」
ヤムチャのように地面にのめり込む玲王の姿がそこにはあった。
【あでぃしょなる・たいむ！】10→←【あでぃしょなる・たいむ！】8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3725人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆーあ - まじで最高すぎです！！新英雄大戦の先も見たいです!!これからも頑張ってください📣✊🏻 (12月11日 10時) (
レス) @page49 id: f24c4f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 凄く面白いです！！新英雄対戦で外国人選手に言い寄られたり、振り回される夢主みたいです！！続きお願いしますm(*_ _)m (8月12日 9時) (レス) @page45 id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - アディショナルタイムが一番好きです！！続き楽しみにしてます！！！！！！ (7月1日 0時) (レス) @page43 id: faa7a99a5f (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - みのみのさん» めっちゃ一気に増えましたよねwwwwww何かもう自分の作品埋もれまくってます薄々そうなることには気づいてましたがwwwwwwそう言ってくださって嬉しいです！更新頑張ります！ (6月26日 2時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
みのみの(プロフ) - このお話、大好きです！！ブルロがアニメ化してから夢を書く人が増えましたが、とても読みやすいし妹ちゃん可愛いし、何回も読み返しています！続きも楽しみにしています！ (6月25日 10時) (レス) id: 8cb807383a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あかね
| 作成日時：2022年10月3日 15時
