62. ページ15
『巻けたよ』
「サンキュ」
そう言って2人立ち去ろうとしたが、逃してくれないのが同僚たちだった。
「五十嵐先生の彼氏さん!?」
「顔面国宝じゃん……」
「美男美女カップルだねぇ」
口々に若狭くんを褒める声が聞こえて何だか照れくさい。
「Aがお世話になってます、彼氏の今牛若狭です」
ぺこりと頭を少し下げる若狭くん。意外と礼儀がきちんとしている若狭くんが好きだ。学生時代からは考えられないけれど。
「本当にお似合いだね〜。いつから付き合ってるんですか?」
五十嵐先生、秘密主義で。と、仲の良い女性講師が若狭くんに聞く。人の恋バナが大好きで、よく学生の恋の相談にも乗っている人だ。
「復縁したのは半年弱くらい前?でも高校時代に2年半」
「じゃあ7年越しにヨリ戻したってことっスか!?」
「そ。Aが引っ越してきた部屋が俺の隣で、偶然再会して」
「これは運命」
「神様が図ってる」
急にIQが下がる同僚に思わず笑ってしまった。あれからもう少し盛り上がったところで塾長が出てきて、「何のために追い出したんだ!」と怒られてしまった。どうやら残業続きだった私たちを早く帰すためだったらしい。いい職場である。
いつも通り若狭くんの後ろに乗り込むと、若狭くんが私を見て微笑んだ。
『どうかした?私変なこと言ってた?』
「いや?Aの職場の人たちみんないい人そうで安心したって話」
『前からそう言ってるじゃん』
それでも若狭くんは心配してくれてたんだなと少し嬉しい。
「でもまあ男との距離は近いかな」
学生時代から余裕綽々といった態度の彼は、今まで1度としてそんなことを言ったことはなかった。まぁ私が絡む男の人が真一郎以外いなかったっていうのもあると思うけど。
『ただの同僚だって』
「向こうはわかんないじゃん」
ーーーそれにさすがにもう学生の頃みたいに、Aに気がありそうなやつ片っ端から殴れねぇし。
『そんなことしてたの!?』
「ヤベッ」
2070人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - やばい好き。これだからワカは最高なんだ (12月11日 0時) (レス) @page44 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんな(プロフ) - めちゃめちゃ最高でした(TдT)人生のバイブル?にします!子供4人は多いなw (11月4日 14時) (レス) @page43 id: c8a07ba8e1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とちさん» ありがとうございます、友人の布教活動のおかげ(?)ですかね……絶対役に立たないけどwwwwww (2023年5月4日 10時) (レス) id: 1eabdc05d7 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - NIKOさん» 夢主の反撃が始まりますよォ!! (2023年5月4日 10時) (レス) id: 1eabdc05d7 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - ゆんなさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!続けることにしました! (2023年5月4日 10時) (レス) id: 1eabdc05d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あかね | 作成日時:2022年4月19日 4時