続・従兄弟が最強なんだが【呪術廻戦】

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いたいのはいやだ




くらいのもいやだ




はやくだして




ごめんなさい




頭に流れ込んでくるのは幼い少女の声。そして俺の目の前にいるのは真っ暗闇の中傷だらけで蹲り、啜り泣く幼少期のA。




寸分先も見えないのにAの様子だけはっきりみえるのは、奴の術式で彼女にフォーカスが当てられているからで間違いはないだろう。




年齢は4、5歳ほど。特に女たちからの暴力が酷かった。代わる代わる殴られたり、煙草を押し付けられたり。子どもにすることじゃない。




Aは五条家元当主の娘で、五条先生に次ぐ才能と強い術式を持った、期待を背負う正統な五条家の血を引く呪術師。蝶よ花よと育てられている。しかしそれは表向きだけ。




裏ではAの父親に道具のように扱われた母親たちのストレスの捌け口として折檻されていた。使用人も女たちが怖いので見て見ぬふり。父親もAの術式以外には興味を持たないから気づかない。




五条家の内情は聞かされていたので分かっていたつもりだった。でもそれはほんの一部に過ぎなくて、Aは俺が思っているよりずっとずっと酷い扱いを受けてきた。未だに悪夢に魘されていることにも気づかないで。




場面が切り替わって誰かのお通夜に移った。遺影に映るのは確かAの1番上の異母兄弟。




母親が違うとこんなにも変わるのか、と思うほどAとは似ても似つかなかった。

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