続・従兄弟が最強なんだが【呪術廻戦】

#口癖 ページ6

棘と一緒に花壇の花を弄っていた。昔から棘は動植物が好きで、拾ってきた猫もパンダが植えたビオラも目をかけて来たのは全部棘だ。




『もう向日葵の季節だねぇ』




「しゃけ」




青空を背景に咲きかけの向日葵を2人で眺めながら、仗露で水やりをする。




『あ、そうだ。建ちゃんと猪野さんから今朝ジニアの苗木貰ってたね。一緒に植えよ！』




「明太子！」



今では悲しいことに有料となってしまった貴重なレジ袋から、そっとジニアの苗木を取り出す。濃いピンク
薄いピンク、サーモンピンク、白、オレンジ黄色。……想像してたよりも多くてカラフルな花壇になりそうな予感だ。




「高菜〜、いくら」




『確かに。絶対みんなびっくりする思う』




2人でクスクス笑いながらスコップで穴を開けて丁寧に苗木を植えていく。植えながらお互いの課題について話した。いや、話してたのは主に私だけど。




『やっぱさ、速さって勝負を分けると思うんだよね。一瞬で回り込めたらほぼ勝ち確じゃん』



「しゃけしゃけ」




『術式・"瞬足"みたいな人いないのかな』




「おかか」




生産性のない会話をしていると、それを遮る能天気な声が聞こえた。




「おーい、昼飯どうする？真希がピザ食いてぇって」




『お金は？』




「日下部の奢り」




心の中でガッツポーズ。ありがとう、日下部ちゃん。日頃の感謝をこめて財布を軽くするからね！そんな私の脳内は完全にピザで頭がいっぱいだった。




「ピザでいいのか？棘」



「しゃけ」




「Aもピザでいいんだな〜？」




『……しゃけ』




完全に無意識だった。ただ、その場の雰囲気が少し変わったような気がして意識は一気に浮上した。パンダは肩を震わせて笑ってるし、棘は襟元を目の下まで伸ばしている。




『……私おかしいこと言った？普通にうんって言っただけじゃん』



戸惑いながら抗議の声をあげると、隣で小さく「おかか……」と聞こえた。漸く落ち着いたのかパンダの話を聞いた私。




無意識下で発した言葉だったから、恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなかったけど、『口癖はうつる！！！』と私は開き直ったのでこれから積極的に使ってこうと心に決めた

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