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9月。近づいていた台風が温帯低気圧に変わったものの、すごい雨が降っているそんな夜だった。
雨粒が窓を叩きつける音を聴きながら眠りつくと、夢に傑くんが出てきた。傑くんが食玩の指輪をくれた時のことだ。
「A、手を出してごらん」
『?なあに?』
「いいから。さあ」
宙に浮かせた手は流れるように傑くんに取られ、大きな手が私の小さな手を包み込むように握る。武骨で意外にも太いその指が持つものはオモチャの指輪。
「いつも頑張ってるご褒美だよ」
『わぁ!婚約指輪!?ありがとう!』
「話聞いてたかい?」
「傑!俺絶対認めねーかんな」
「悟も話を聞け」
数百円程度、きっと特級だった傑くんにとってはタダも同然の代物だったのかもしれない。でも、指輪も私のために選んでくれた時間は、ダイヤモンドの指輪より、この家のどんなものより価値のあるものに思えた。
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あかね(プロフ) - 抹茶さん» ひえ!ありがとうございます!! (2021年4月19日 1時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - えっ…………………好きです← (2021年4月17日 22時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - クロノ@気まぐれ更新さん» ありがとうございます!続編もよろしくお願い致します! (2021年1月27日 0時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロノ@気まぐれ更新(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さいね…! (2021年1月26日 6時) (レス) id: 81556e3845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかね | 作成日時:2021年1月26日 1時