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いつだって優しくて正義感に溢れてて、自分が術師であることに誇りと崇高な理念を持っていた傑くんが大好きだった。彼は悟以上に私に知らない世界を見せてくれた。
『飛んでる!ねこバスみたい!!すごー!』
「Aはトトロが好きなのかい?」
『好きー!』
「クソッ傑のやつ…!A!俺とだったらハウルできるぜ」
『ハウル!?』
ふよふよ空飛ぶ呪霊(命名・ねこバス)によく乗せてくれて、当時大好きだったジブリごっこをするのがすごく好きだった。
「しっかり掴まってろよ。間違っても離すなよ」
『………待ってやだ、そんなこと言われたら怖くなってきた』
「だーいじょうぶだって。歩いてみ?」
『やだやだ怖いよーー!!!硝子ちゃーーーん!!!!』
足がつかない、支えが心許ない(失礼)悟という事もあり恐怖で暴れ、暴走した私の拳は悟の顎にクリーンヒット。その衝撃で彼は私を離してしまった。焦った悟の顔、すべてがスローモーションで落ちていく。
痛みに備えてギュッと目をつぶったが、私の身体に来たのは痛みでも何でもなく誰かの腕に収まるような衝撃。
「親方!空から女の子が!」
「五条バルス」
一足先にねこバスから降車して地上で待機してくれた傑くんが私をキャッチしてくれたらしい。放心状態で状況がつかめなかった。地上に降り立った悟を硝子ちゃんが怒っているのが聞こえた。
「危ないだろ、Aを殺す気か?夏油がキャッチしなかったら骨折どころじゃすまなかった」
「それはマジで悪いと思ってる。それはそうと硝子……俺の顎割れてね?大丈夫?」
いまだにショックが抜けない私に傑くんはゆっくり話しかけた。
「Aも、いくら怖いからって暴れちゃいけないよ。私はこれ以上Aが怪我をするところを見たくない」
いつも通りの優しい言葉だが、声音にはほんの僅か怒気が孕んでいた。私を受け止めた直後はふざけていたが、心音がいつもより早かったことを思い出した。
『……ごめんなさい。ケツ顎悟もごめんなさい』
「おい誰だAに"ケツ"なんてばっちい言葉教えたやつ」
「そこなのか?」
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あかね(プロフ) - 抹茶さん» ひえ!ありがとうございます!! (2021年4月19日 1時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - えっ…………………好きです← (2021年4月17日 22時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - クロノ@気まぐれ更新さん» ありがとうございます!続編もよろしくお願い致します! (2021年1月27日 0時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロノ@気まぐれ更新(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さいね…! (2021年1月26日 6時) (レス) id: 81556e3845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかね | 作成日時:2021年1月26日 1時