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顔を見合わせること数秒。その沈黙を先に破ったのは悟の方だった。
「お前、今なんで謝ったの?なんも悪ぃことしてねぇじゃん」
『い、いつも……』
「聞こえねぇ、はっきり喋れ」
『いつも……なぐられるときはあやまらないと……いけないって。おかあさまたちは、Aのかおをみるだけでなぐるから……』
悟はドカッと座り込み、私と同じ視線になる。
「いや、だからお前悪ぃこと1つもしてねぇじゃんっつってんの。わかる?」
『Aが、うまれたことがいけないの。だからあやまるの。おとうさまもせっかくおしえてくれてるのに、できないAがわるいの。ぜんぶぜんぶ』
さっきまでしゃくりあげていたが、それも止まり父親に蔵に閉じ込められるのも、義母たちに殴られるのも全部私が悪いんだと説明した。
悟は私の肩を掴んで、綺麗なその蒼眼を零れるほど見開いて言った。
「お前、それおかしいよ。親なら技ができなくてもこんなところに閉じ込めたりなんかしねえし、大人が子どもを訳もなく殴るのはあっちゃいけねぇことなんだよ」
父親や義母がしてることが正しいことだと思ってきた。だって私の世界はそれだけで構成されていたから。
けれどその世界に悟という人間が割り込んできて一変した。今思うにあれは一種の洗脳状態にあったように思う。
「いいか、もうアイツらの前で絶対泣くな。泣くなら俺の前にしろ。この家のヤツらは俺と、俺が気を許している奴ら以外 絶対信用するんじゃねぇぞ」
それが誰かと交わした初めての約束。
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あかね(プロフ) - 抹茶さん» ひえ!ありがとうございます!! (2021年4月19日 1時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - えっ…………………好きです← (2021年4月17日 22時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - クロノ@気まぐれ更新さん» ありがとうございます!続編もよろしくお願い致します! (2021年1月27日 0時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロノ@気まぐれ更新(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さいね…! (2021年1月26日 6時) (レス) id: 81556e3845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかね | 作成日時:2021年1月26日 1時