続・従兄弟が最強なんだが【呪術廻戦】 (ページ16)

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#五条家訪問ページ16

「A、本家呼ばれたけど」

『行かない』

悟と顔を合わせた朝、彼の口からこんな言葉が初めて出た。ありえない、私が五条家に行くなんて。そもそも悟の口からそんな言葉が出てくること自体あり得ない。

『ねえ、本当に悟？』

「僕は誰と疑われてるわけ？」

困ったことに悟だ。五条家に行くの何ていつぶりだろう。中2の頃にさらわれて以来だから、4年ぶりくらいかな。

あのクソ親父のことだ。今までだって悟を通して私を返せとか言ってきたんだろうけど、悟が上手い具合に躱してくれていたんだと思う。

『だってそんなこと言ったことなかったじゃん。今まで通り適当にあしらえないの？』

「それがさ、今までみたいな呪詛電話じゃなくて」

『呪詛電話』

「お見合いの話だったから」

『余計断ってよ！！！』

御三家は血筋を大事にする。特に珍しい術式を持つ者は、伴侶が決まり正式に祝言を挙げたあと、それを子々孫々残すために種馬に成り下がることもよくあるケースだ。

「大丈夫だよ、僕も当主権限で出席するし、伯父さんが最低1人とはお見合いしろって言うなら、当然僕も立ち合うし」

『地獄のお見合いだなそれ』

従兄弟がお見合いに立ち合うとか普通じゃない。あ、そもそもこの家が普通じゃないのか。

「まあ何よりさ、キヨが心配してんだよね。Aのこと」

キヨ。元々悟の側仕えだったが、傑くんが離反して悟が家に戻ってこられない日々が続いた時、悟が私の元に寄越したのが彼女だった。

悟がまだオムツをしていた時から側仕えをしていて、彼が唯一あの家で気を許している存在だ。

継母たちの息のかかってないキヨはどんな時でも私の味方になってくれた。

家を出てから1回も会っていない。さすがに薄情すぎる。

『わかった、行く』

かくして、私はキヨに会うため五条家に行くことを決めた。