続・従兄弟が最強なんだが【呪術廻戦】 (ページ14)

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「随分とボロい寮ね」

『いや、京都校も変わらんでしょ』

桃先輩たちが言ってたのは学校ではなく寮だったらしい。普通部外者は当たり前だけど入れない。けれど今回限り学長には許可を得た。

「え、隣の部屋伏黒くんなの？」

『はい、悠仁、恵、私、棘って並んでます』

「男子寮と女子寮分かれてないんだ……」

なるほど、その手があったか。生憎東京校は男女別の寮なんてない。そこまで人数いないしね。一緒にいる時間が長いせいか家族みたいなものだし。

共有スペースは私たちが陣取る。1年生は任務だし、パンダは学長と親子水入らずで一緒にいる、はず。いるのは真希と棘だけだ。

「お腹すいた～」

『何も買ってこなかったけど良かったの？せっかく来たんだから、食べ歩きとかするものだと思ってたんですけど』

そう言いながら3人を見やるとソファにもたれきっていた。いや、自分のホームのようにくつろぐな。

でもいつも綺麗な姿勢を崩さない霞でさえ、背もたれにもたれかかっていたからどうやら移動にだいぶ体力を奪われたらしい。だから寮か、と合点がいく。

仕方がない、簡単なものしか出来ないが私が振る舞うとするか。そう意気込んだ。

「あれ、A真依たちと出かけたんじゃ……ってなんでいるんだ…………？」

「明太子？」

真希と棘が共有スペースに顔を覗かせた。

『今日は疲れたから観光はなしみたい。今からご飯作るけど、2人とも食べる？』

「おー、てか手伝う」

『まじで？助かる』

その実、真希は料理がめちゃくちゃ上手い。禪院家の黒い事情だが、術式を持たない彼女たちは蔑まれ使用人と同じ生活を送ってきたらしい。

料理が上手いのもきっとその名残だ。

『私は真希のお味噌汁一生飲みたいなぁ』

「なんだ、プロポーズか？」