八月がずっと終わらなければいい【時透無一郎】

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「本来なら、十まで生きていられないとお医者様に言われていたんです。あの子が今も生きていること自体が奇跡なんです。分かってるんです。でもそんな奇跡が起きたら願っちゃうじゃないですか。1日でも永く生きて欲しいって」









「Aはよく外の世界を知りたがってました。出してあげることができるなら出してあげたかった。でもそれはあの子の為になんてならなーーー」

「Aは生きたいんじゃなくて″生きたい″んじゃないですか」









思わず僕の口からそんな言葉が飛び出していた。
胡蝶さんの制止を振り切り言葉を続けようとすると、胡蝶さんに遮られた。








「胡蝶さん、Aのお兄さんと2人にしてください」









確実に怒っている笑顔でこっちを見る胡蝶さん。
無理か、と諦めていると









「すみません、俺からもそちらの鬼狩り様にお話したいことがあります」









そう助け舟を出してくれた。

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