アイロニー【伊黒小芭内】

19個目 ページ19

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鬼舞辻無惨は竈門炭治郎しか遭遇したことがないため、どのような血鬼術を使うのかもどれくらいの力なのかも全く見当がつかない。









Aには約束したが、最悪俺はこの戦いで死ぬ。どちらにせよ痣が発現したらあと4年の命なのだ。そう思ったらいてもたっても居られなくて、風呂上がりのAに思わず聞いてしまった。









「なあ……Aを今から抱いてもいいだろうか？」









彼女は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたあとクスクスと控え目に笑った。俺は長年生きてきたAとは違って未経験なんだ、笑うんじゃない。









「いつ抱いてくれるんだろうってずっと思ってた」









悪戯が成功した子どもの様な顔をするAに愛しさが込み上げる。大人びた表情をする時もあれば、今しがたのように子どものような表情もする。俺と違って表情筋が豊かなAを見るという行為が飽きることは一生ないのだと思う。









寝室に行き口付けをしながら、ゆっくりとAを押し倒す。肌蹴た着流しから見える白い胸。すこしでも力を入れたら折れてしまいそうな細腕。柔肌。身体中に嫌というほど口付けを落とし、俺のものである主張を付ける。









汗で張り付いた髪の毛を退けると、酷く淫らな顔をしたAがいた。再び下半身に熱が集まるのを感じながら、その額に口付けをした。願わくば、俺が寿命で死ぬその時までこの幸せが続くように。

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