頑張れ音駒セコム

SECOM３５ ページ35

「さあ洗いざらい話せ。お前の犯行ってことはもう分かりきってるんだ」



簡易取調室を設置し、立会人に潜、夜久、研磨の3人。




「いや、まず言わせてくれ。その日ミカちゃんにちょうど振られた日だったんだよ」




「バレーばっかでつまらないって？」




「傷掘り返すな！！」




リア充ダメ、絶対。



「そしたら見かけたことある顔の子がいて、その子なら遊んでくれるかなって思って声掛けたわけよ。なかなか手強い子だったわ。まあそこも良かったけど」




「よし研磨、ミカちゃんにこの動画全部送れ。インスタのアカウント探してDMで送れ」




「ラジャー」




さすが研磨、10秒足らずでミカちゃんのアカウントを特定しDMを開いたところで、大将がガチの半泣きで泣きついてきてさすがに不憫だったのでやめた。




そうだよな、やっと念願の復縁が叶ったんだもんな。




優しい俺たちはAに誠心誠意謝ることを条件に大将のナンパを不問にすることにした。




Aの姿を見た瞬間ビッグスライディング土下座をかましてAをビビらせた大将だったが、彼女に振られてヤケになっていたという話を聞くとAも納得したらしい。もう大将を怖がることもないだろう。




だが後日、大将がAに土下座をしたという噂が独り歩きし、尾びれも背びれもついたような噂が耳に入った。




"戸美学園のキャプテン、大将優が音駒のマネージャー、夏目Aの目の前で土下座し、踏まれて喜んでいた"




その噂がミカちゃんの耳にも届き、1週間も口を聞いて貰えなかったと弁明を求めに来た大将がそう言っていて、俺たちは思わず大爆発したのだった。

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