頑張れ音駒セコム

SECOM２１ ページ21

「そんな可愛い顔で主張してもお父さん認めません！」




『……(ケチ)』




疲れが出ただけだったのか、一晩寝たら全快とまではいかずとも熱は下がったAは、練習についてくと言って聞かない。




「また熱が出たらどーすんだ！なあ母さん！？」



「Aが大丈夫だっつってんならいいんじゃね？俺らがフォローすればいいだけの話だし。ただし無理は厳禁な」



『！』




「夜久衛輔、突然の裏切り」





それよりやっくんが母さんなのね。俺は海に言ったつもりだったんだけど……なんて言ったら目を潰されそうなのでやめておく。




しかし俺の心配は杞憂に終わった。俺たち選手に頼むことはなく、出来ないことは烏野のマネージャーに頼んでいた。Aのことを理解してくれる人間が増えるのは喜ばしいが、親としては(違う)やっぱり少し寂しい。




ようやく一日が終わり、枕投げ、課題、ゲーム。それぞれが娯楽の時間を過ごしていた時、ノックの音が響いた。もしかしてだけどまたAか……！？と思って出てみると




「やっほー」



「スガくん！」




「悪いな、黒尾。急に押しかけて」



来たのは烏野の2人。用件を聞くと「肝試しをしたいと言って聞かない後輩がいる」との事。誰が言っているのか想像は容易い事だった。




みんなに聞いてみると割とやる気満々。研磨は顔を歪めてたけど強制参加だ。




Aを部屋に呼びに行くと、烏野のマネージャーから先に聞いていたのか少しだけオドオドしている。




そう、何事にも無関心、無飯能がモットーの夏目A。ホラー系はべらぼうに苦手なのである。

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