頑張れ音駒セコム

SECOM１８ ページ18

「スポーツドリンクとゼリー飲料、冷えピタ。これでいいデスカ」




「さんきゅー、ツッキー」




「ありがとな！月島」




「月島、ありがとう」




「じゃあ僕はこれで」




袋を受け取るとそそくさとツッキーは帰って行った。中身を覗くと頼んでいたものがきちんと頼んだ数入っていた。やっぱりツッキーに頼んで正解だったようだ。




「A〜薬飲むぞ」




名前を呼ぶとうっすら目蓋を開ける。熱でボーっとするのか虚ろな目が彷徨っている。夜久がAゆっくりと抱き起した。




「ん、まずこれ飲め」



そう言って渡したのは某10秒チャージのゼリー飲料。それを研磨が受け取りAの口に持って行く。多少のアクシデントがあっても、しなやかに繋いでいくあたりさすが音駒だと思う。




おばさんが俺に持たせてくれている薬を飲み終えると、Aは再び沈むように眠りについた。



そう、俺たちの戦いはここからである。




「やっぱりおばさん公認の俺がAの隣で寝るべきだと思うんだよね」




「いや、それだったら従兄弟の俺でしょ」




「はい出たーそのステータスの乱用！そのステータスで前回Aの隣勝ち取っただろうが！！」




「なら俺が間を取ってAさんと寝ます！」




「リエーフお前は寝相悪いから絶対だめだ」




「そもそも間の使い方ちげぇよ」




風邪の時のAは幼児返りのせいかすごく素直で、寂しがり屋で、可愛さがより一層増す。





本来、年頃の男女が同じ部屋で寝るのは言語道断。だが、初めての合宿で熱を出し別々の部屋で寝た時、一晩中べしょべしょと涙を流し続け一睡もできず、状態が悪化するといったことがあった。




その時から、Aが風邪の時は最低でも一人はそばにいるという暗黙のルールができたのだ。

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