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電車に乗ると誰かと視線が合う。
思わず視線を合わせるとその人はスマホの画面を見つめる。
もどかしさで違う車両に移ろうとすると
バッドなタイミングで小幡に遭遇した。
小幡「なぁなぁAちゃんよ」
「マジでびっくりした、急に話しかけないでよね」
小幡「いや、さ…明日の数B、当てられてるんだけどさマジでわからなさすぎて教えてほしい」
「はぁ…わかったよ、解いてからLINEで送るわ」
小幡「もうこういうところ感謝なんだからー」
小幡は私の最寄り駅より手前で降りる。
その為、ここでじゃあな〜って言って別れる。
遠回りしても、ここで降りたら良かったのかな？
「よし、音楽聴こう」
木浪「ねぇ、A？」
「…………っ、き、木浪さん」
木浪「逢いたかった」
二人きりの空間だけが時がゆっくり流れていく感覚。
木浪「あのLINE、本当にAの本心？」
「はい。私の中で…
熊谷さんと一緒にいたいという結論に至りまして」
木浪「なんでそんな結論になるわけ？」
一瞬で恐怖に陥る。
鋭すぎる稲妻が、私の頭に落とされた。
「ここでは話せないです。」
木浪「じゃぁ俺ん家で話して」
「……一言だけなら、言わせてください。
聖也くん、もうこれ以上好きにならないでください…」
木浪「嫌だ」
「嫌だとしても」
木浪「熊谷が、俺達の関係を奪ったんだぞ？
略奪愛した相手の事をなんで好きになる訳？違うでしょう？
俺は、可愛いAがアイツに染まっていくのを見たくない。
いい加減、目覚ましてくれない？」
「……………」
木浪「俺はずっと、Aの事待ってる。」
答えが出せないまま、最寄り駅に到着した。
木浪さんの熱い想いに触れあったら、
その余熱が私の身体にまとわりついて離れない。
木浪「俺ん家で話すんじゃなかったの」
「…あ」
木浪「Aの何もかも、アイツから奪うから」
家に入ると途端に狼みたいに牙を向ける。
あぁ、聖也くんも意外と独占欲の塊なのかと悟る。
木浪「全部俺だけのものにしたい」
制服を脱がされ、気づけば身体が再び混ざり合う関係へ。
「聖也…くんっ」
木浪「なんで離れようとしてんの、こっち来て」
「もうこれ以上は」
木浪「だめ。俺の顔見て」
「実はもう…………」
木浪「アイツの名前なんかAの口から聞きたくないの」
「聖也くんのLINE、ブロックしてます」
木浪「………………は？」
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作者名：u | 作成日時：2024年3月18日 11時
