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2017.4
私は、高校2年生に進級した。
新しく入る後輩に、先輩の姿を見せないといけない。
それなのにいつまでも後輩のスタンスが取れない自分がいた。
小幡「また吉野と同じクラスやーんバカにされるしー」
吉野「え、ええやん！勉強教えたるけん」
小幡「おりょう離れたん寂しいんやけど」
戸郷「俺もおるけどな」
「私もいるんだけど、小幡ってやつはひどい」
太田「離れたの俺と恭大ぐらい？まっ、なんとかなれーッ」
小幡「なんとかならねぇよ！」
小幡、なんとかさせます。
グラウンドに吹く風も春風でどこか心地いい。
湯浅「A」
「…あぁ、湯浅先輩」
バレンタインの事もあって、
再び意識し始めてしまいそうで避けていた。けど。
湯浅「俺の事避けてる？」
心が読まれていて動揺が隠せない。
湯浅「なんで避けるの？普通に接してくれたらいいのに」
「………んー、なんか緊張して」
湯浅「緊張もなにも、俺ら元々付き合ってたんだし、気さくに話して欲しいよ？」
そう言うとボールを手に取り、私にグローブを渡された。
湯浅「キャッチボールしよっか」
「いきなりですか？」
湯浅「そしたら距離、縮まるかなって」
会話のキャッチボールを重ねたとこで
選手とマネージャーという間柄のキャッチボールが始まった。ㅤ
兄の影響でキャッチボールは慣れている。
湯浅先輩の球は物凄く力強くて真っ直ぐ来る。
湯浅「普通に上手いじゃん」
「よく兄とやってたんです」
野口「俺も混ざる〜♪」
湯浅「お前は遼人としなよ」
野口「えぇーっ、Aとキャッチボールしたいー」
湯浅「ならすれば？」
野口「いや、湯浅冷たいから代わるのやめた。遼人ー」
よくわからない。それが智哉さん。
新体制になってから最後は全員で一本締めをして
グラウンドに挨拶をする。ルーティンで個人的に好き。
新入生、どんな子が野球部に入ってくるのだろう。
そしてマネージャー志望の子は入ってくれるのだろうか。
帰り道、最寄り駅まで自転車を漕いでいたら、
フォルクスワーゲンの高級車に乗ったお兄さんに声をかけられた。
？「拓夢の妹さんやろ？」
「え、あの、どちら様ですか」
？「ん、あー俺？T-SHOPの石川亮っていいます。」
石川亮さん。
そういえば過去にたーくんが言っていた。
『俺がT-SHOPをやめたキッカケになった人物』で。
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作者名：u | 作成日時：2024年3月18日 11時
