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石川「俺は熊谷からあなたを奪いたいだけ」
石川「あいつは釣り合わないって、俺が教えてあげるよ」
電車で襲われた私は、
目的地でもあった鎌倉のスターバックスにいた。
石川「そういえば熊谷と最近会ってないらしいね」
「仕事で関西の方に暫くいるそうなんです」
モデルの仕事とかいろんな仕事が関西の方であるらしく、
暫く会えないけど声聞きたいから電話かけるね、と言われた。
そう言われたのは、2日前の出来事＿＿＿＿＿
石川「アイツって今なんの仕事してるの」
「モデルさん、らしいです。」
石川「………戻ったんだアイツ、知ってると思うけどさ、アイツモデル活動しながら働いてたんだよ。」
「聞きました。聞いた時結構驚いちゃって」
ニューヨークチーズケーキを一口、口に運び、
ドリップコーヒーで流し込む。
高校生の私には早すぎるけど、背伸びはしたいお年頃。
石川「まぁ普通驚くわな。俺その事実聞いて嫌いなった」
「どうしてですか」
石川「どうしてって？T-SHOP兼任NGなんだよ？なのにアイツだけ上層部の許可無しで兼任してたってことになるんだよ？それはあり得なくない？だったら俺だってするわって思って」
「あー…確かにそうですよね」
石川「だろ？あ、そうだ、今日鎌倉に行きたいって話だったじゃない。俺知り合いに鎌倉出身の子いていろいろ教えてもらってるから一緒に行こ？」
コミュ力お化けの石川さん。
知り合いはほとんどが男性の方で、
女性の知り合いは数える程しかいないと話してくれた。
石川「海綺麗〜」
海を見ると心が落ち着く。久しぶりに見たからかな。
石川「やっぱ海最高！ねぇ」
「ですね〜」
石川「あのさ、そろそろ『石川さん』やめて。」
「だってまだ、仲良いわけでもないですし」
石川「亮って呼んでよ、俺もAって呼ぶから」
名前を呼ばれて一番胸の鼓動が早くなった。
木浪さんより、たーくんよりも、胸が痛くなるほど高鳴った。
「亮、くん」
石川「A」
誰もいない二人だけの秘密の海岸
海を眺めながら亮くんの唇が私に触れる。
石川「Aを愛せるのは俺だけだからね？？」
「…………ん、」
石川「その顔、可愛い」
怖いと思っていた、亮くんの甘すぎる優しさに、
私の心はどんどん溶けかけていく。
「好き、です」
石川「俺もだよ」
今度は長くて美しいキスを交わした。
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作者名：u | 作成日時：2024年3月18日 11時
