検索窓
今日:18 hit、昨日:42 hit、合計:6,635 hit

 𝘚𝘦𝘪𝘺𝘢 ページ16






亮は最近変だ。

俺に対して凄く構っていたはずなのに、

突然構うことも無く新人の大津くんの教育担当を自らしたいと

誠志郎さんにお願いして今、一生懸命教えている。


「亮?」

石川「なんですか」

「なんか最近変わった?」

石川「今手続き中なんで話しかけないでください」


ぶっきらぼうに返され、頭を抱える。


坂本「聖也、お前そろそろ諦めた方がええで」

「だから誠志郎さんには関係ないでしょ。」

坂本「俺はお前が心配なんだわ、何個年が離れてると思ってんだ」

「年齢なんて関係ないんです。ほら、年の差婚とかあるじゃないですか。ほんとに可愛いんです。でもなんであんなやつと…」




坂本誠志郎さんは俺の一期上の先輩。
ショップの店員では剛さんと同じく最年長の方だ。

俺が店長になったのが不満なのか、知らないけど
最後の最後まで誠志郎さんは熊谷の味方を貫いていた。



坂本「熊谷と幸せに過ごしてたぞ」

「……は」

坂本「先週会った。二人とも手繋いで幸せそうだった」

「だけど」

坂本「もう後がないやろ。LINEもブロックされてんだし。諦めろって。」



そう言い残してバックヤードからお店に出た。











売上を本社に送り、20:00過ぎにお店を出る。

今日もひとり、寂しい夜を過ごさざるを得ない。




でも俺は衝撃の姿を見てしまった。


「嘘だろ」


黒のワンピースにレザーのジャケット、
厚底スニーカーを身に纏う彼女の隣にいたのは、

俺の味方だった亮だった。




「亮、お前っっっ」


許せるわけない。俺を騙したんだあいつは。
味方ですよって言葉、全て嘘だったんだ。



石川「A、お店に入ってて」

A「あ、はい、わかりました」



「おい亮」

石川「俺がずっと木浪さんの味方でいると思いました?」

「ふざけんなよ、俺の…」

石川「我慢してたんですけど、木浪さんそろそろ諦めた方がいいですよ、彼女も嫌そうにしてましたし。ってか、熊谷から引き離すという面では同じなんですけどね。」

「どこにいるのA」

石川「秘密です。夜遅いんですし帰ってください」

「は…いい加減にしろお前」

石川「あーあ、木浪さんってほんとチョロいっすね」





俺はあんなやつを信じちゃいけなかったんだ。

あんなやつを信じたから、バチが当たったんだ。




泣きそうになりながら車を発進する。

カーディオから流れる切ない曲たちに

感情が溢れて嗚咽しながら涙を流す。






好きだった



.

 ・→← ・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
設定タグ:恋愛 , 阪神タイガース , プロ野球   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:u | 作成日時:2024年3月18日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。