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熊谷「木浪さんに、なんか言われたんでしょ?」

「………そういう、たーくんも何か言われたんじゃないの」




オムライスを食べながら


時計の秒針だけが鳴り響くダイニング。





熊谷「『Aの事洗脳させようとしてない?』って」

「洗脳……」

熊谷「俺もわからない。けど、そんな事をしてるつもりは
無いし、お互いに両想いなんだから邪魔すんなって話」





両想いで深く愛し合ってる事に納得していないのか
あの手この手で引き離そうとする木浪さんに悪意を感じる。




熊谷「ねぇ、ブロック解除してないよね?」

「してないよ…なんで?」

熊谷「ん?なんか解除しろとか言われたんかな思って」

「言われたけど私が頑なにしなかった。」

熊谷「偉いね。じゃ、この話は終わり。ご飯食べよ」




話が切り替わった瞬間、無機質だった部屋に彩りが生まれる。

こんな幸せな時間がずっと続いたらいいのに。












『幸せ』と感じている時は、周りが見えていない証拠。

出会いはあまりにも唐突過ぎた。



それは電車に乗って自宅に帰ろうとしていた時。


隣に座っていた若いお兄さんが眠りについていた。


「あ、あのー、次で降りるんですけどー」

と言っても眠っていて返事も無い。

そのまま放置して跨いで降りるのは失礼かと思い、

「すみません、通りますね」

と一言だけ言うとお兄さんは「ん?え、あぁ」と目が覚めた。





「ごめんなさい、起こしてしまいまして」

?「いえ、ごめんなさい、んあっ、AirPodsのケース、」

「あぁ、私のほうに転がってたのでずっと持ってました。」

?「本当に何もかもありがとうございます。」




小動物みたいで可愛い、
けどどこか逞しい体をされている、この方は何者なのだろう?



あれからずっと、その男の人を探している。
名前も、普段何されている人なのかも、全くわからない。













? Side



先日、電車で隣の席に座った高校生の女の子。

凄く愛想も良かったしハキハキ喋ってて可愛かったなぁ。


俺はまだまだだし、T-SHOPで上手くやれるかなあ。

店長も周りの店員さんも、みんな手際よくて置いてけぼり。




いい事も悪い事も何も起こらず、平凡な毎日。



スマホを眺めながら電車に乗るとそこには

俺が待ちわびたあの子がいるじゃないか。





「あ、あの…」

A「…あ、先日の、」




覚えてくれていたことに奇跡を感じて

マスク越しにニヤけが止まらなかった。




 ・→← 𝘚𝘦𝘪𝘺𝘢



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設定タグ:恋愛 , 阪神タイガース , プロ野球   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:u | 作成日時:2024年3月18日 11時

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