リトグリちゃん短編集。

＊ ページ18

＊



m「じゃあツアー1日目、全力で行きましょう!!」


ツアー当日。
メンバーやバンドメンバーと円陣を組んで、気合を入れる。開始時間までは、もうあと10分もない。

…大丈夫、リハーサルでも上手に歌えたし、本番でもきっと、大丈夫なはず……


自分に何度も言い聞かせていると、

芹「まなか緊張してるやろ、背中叩こうか？」
ま「ん、頼むわ」

近くに来た芹奈に思い切り背中を叩いてもらったら、少しだけ冷静になって、緊張が和らいだ気がした。


(…よし、頑張ろ)


ーーーーーーーーーーーーーーー


ライブ前半が無事に終了して、とうとうソロコーナーが始まってしまった。

今回のトップバッターはかれんで、私は4番目。
私たち4人はモニターで、かれんのステージを見ていた。


M「…やっぱかれん、さすがやなぁ…」
ア「ね、リハーサルのときよりうまくなってる」


みんなが言う通りかれんのソロはすごく上手で、リハで聴いていた私たちでさえ圧倒されてしまった。


(……かれん、すごい……)


だんだんと、不安な気持ちが大きくなってくる。

音はずしたらどうしよう、もし失敗したら、そんなマイナスな考えばかりが頭に浮かび始めていた、その時


m「……、っ！はぁ、はぁっ……！」



……突然、息が苦しくなった。

やばい、と直感で感じ、必死で酸素を取り込もうとしても、上手くいかない。


みんなの焦った声がぼんやりと聞こえたけど、もうどうすることもできなかった。

＊→←ep.5 manaka

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す