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それから私達は
知り得る限りの誘拐事件とされるものの現場に
足を運んだ。

私は鬼の髪の毛を血眼になって探し、
菊枝さんはそんな私の為に人払いをしてくれた。

しかし、どの現場も
拐われたから何日も経過していたためか
鬼の髪の毛は残っていなかった。


満足な進展が得られず、日が暮れていった




「今日はどうもありがとうね」


「えっ?」


「もう日が暮れるわ。お家に帰りなさい」


「いえ、ここからが本番なので!」




鬼は夜しか活動できない。
誘拐事件は二、三日置きに起きている。

つまり、今夜出る可能性が極めて高いのだ。

日はもう沈んだ。鬼の出る時間だ。
耳を澄ませろ。女性の叫び声が聞こえたら
そこへ急ぐんだ




「Aちゃん!!」


「は、はい!」




今まで物腰柔らかだった菊枝さんの声が
いきなり大きく、張ったものだから驚いた。




「私はとても嬉しかったわ」


「は、はい?」


「誰も私の言葉を信じてくれなかった。
誰も私まともな人として見てくれなかった。

辛かった。苦しかった。

でもAちゃんは、私の言葉を信じて
今日一日本気で直子を探してくれた。

Aちゃん、ありがとう。本当にありがとう」


「菊枝さん…」


「だからお願い。今日はもう帰って。
ここにいてもし貴方まで拐われてしまったら
私は貴方の親御さんに合わせる顔がないわ」




そう言って菊枝さんは私の頭を優しく撫でた。
優しく微笑むその顔が、一瞬母さんと重なって
とても胸が苦しくなった。

……その時だった。




「豊子…?豊子どこに行ったんだい!?
隠れてないで出ておいで栄一!」




二時の方向。近い!

あれは母親の声。やはり今日出たんだ!
きっとまだ鬼は近くにいる!




「すみません菊枝さん。失礼します!」




そう言うと同時に私は高く飛び上がり
屋根を伝って声のする方へ走った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 原作沿い , 継子   
作品ジャンル:アニメ
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ひより(プロフ) - ヒナさん» うわわ!本当だ!恥ずかしい……ありがとうございます!笑笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 9289657a5e (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 最終選別が最終選抜になってますよ笑 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 34797771fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなこさん | 作成日時:2020年8月9日 0時

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