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「本当にごめんなさいね…」


「いえ、いいんです」




あれから私は、なんとか菊枝さんを剥がした。
途中で冷静になったのか、
その時も菊枝さんは謝ってくれた

人通りの少ないお茶屋さんに連れてきてもらい、
私は口を開いた。




「お辛いでしょうが直子さんの事、
話してくれますか?」


「……直子は消えてしまったんです」




菊枝さんは俯き、いっぱいに溜めた涙を
ボタボタ溢しながらそう切り出した。




「三日前の夜、二人で家路の途中
突然っ…消えてしまうまったんですっ……」




必死に涙を堪えながら菊枝さんはそう言った




「どこを探してもいなくて、
誰に聞いても見つからなくて、
絶望してたところに、
貴方が余りにも直子に似てたから思わず……」


「そうだったんですか…」




拐われたその日は、直子さんの誕生日だったらしい。
祝いにこの街で一つしかない
洋食を出す店で食事をし、その帰りだったそうだ。




「消えた、なんて誰に言っても信じてもらえない。
みんな私の気が確かなのではないと言い
誰も私をっ……」




そう言い、また菊枝さんは声を殺して泣いた。

私はその姿に前の自分を重ねた。
……いや、重ねてはいけない。
菊枝さんは、直子ちゃんはまだ助けられる。

まだ私が救えるんだ!




「菊枝さん」




私はしゃがみ、菊枝さんの手を取った




「私は信じます」


「えっ……」


「直子ちゃんが消えてしまったという話を信じます。
一緒に直子ちゃんを探しましょう」


「どう、して…」




潤み、腫れた菊枝さんの目が私を見た。
私はその瞳を見て言った




「だって私は、
貴方を信じ、救うためにこの街に来たんだから」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 原作沿い , 継子   
作品ジャンル:アニメ
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ひより(プロフ) - ヒナさん» うわわ!本当だ!恥ずかしい……ありがとうございます!笑笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 9289657a5e (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 最終選別が最終選抜になってますよ笑 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 34797771fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなこさん | 作成日時:2020年8月9日 0時

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