修業再開、そして… ページ30
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“師匠!改めてよろしくお願いします!”
“ではまず、鈍った体を元に戻そう”
“…それってまさか“
“嗚呼”
と言う事で、
私はまた山をダッシュで往復している。
でも、本当に苦しかったのは最初の二日間だけで、
後は体が覚えていたのか、すぐに戻った。
ダッシュ修業は一週間で終わった。
「では、全集中の呼吸に入る」
「…はい!」
四週間前と同様私は薙刀を持ち、
同じ様な大木の前で
全集中の呼吸の修業が始まった
「検討はついていると思うが、
お前はこれから全集中の呼吸を使う時は
全力を出さずに、ある程度抑えて使う事になる」
「はい…」
わかってはいた。
それしか方法が思いつかなかったから
でも、そんなことできるのか
「まず、全力での全集中の呼吸をした時の
体の具合を覚えているか」
「覚えてます」
「ならばそれの半分、いや三割程度の息で
全力の全集中の呼吸をするのだ」
さ、三割の息で全力の呼吸?
落ち着け、しっかり頭の中で想像して想定して
慎重に呼吸をしろ___
いつも通りドクンっと大きな鼓動の音がする。
体が、血が熱い。
けれど何かが違う。
血管の中を暴走する血が、今回は暴れながらも
しっかり自分で制御できている感覚がある。
これならいける
私は前に大木を斬った時同様に踏み込み、
幹に刃を当てた。
……しかし
「いぃぃぃ!!」
木はびくともせず、
その分の振動が自分の方にかかってきて
思わず変な声をあげてしまった。
「し、師匠斬れません」
私がヘナヘナの声で言うと
「いや、それでいいのだ。
この木も前の木も、お前の筋力では未だ斬れぬ木だ。
鍛錬を重ねれば
いずれはこの抑えた呼吸でも木の葉の如く斬れよう」
そう、どこか安堵した声で師匠は言った。
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ひより(プロフ) - ヒナさん» うわわ!本当だ!恥ずかしい……ありがとうございます!笑笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 9289657a5e (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 最終選別が最終選抜になってますよ笑 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 34797771fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなこさん | 作成日時:2020年8月9日 0時