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私は驚いて耀哉さんの顔を見る
耀哉さんは私と目を合わせるといつもの様に微笑んだ
「さて、本題に戻るけど
行冥の思った事を聞かせてくれるかな?」
そう御館様が言うと、
師匠は一礼をして部屋に入った
「先ほどの話を聞く限りでは、
その子の精神はまだ幼子。しかし
「で、出来ます!
どんなに辛くても弱音を吐きません!」
私は師匠の言葉を待たずに反論した
「私、頑張ります!たくさん修行します!
たくさんたくさん、強くなりますから!」
そう、私は捲し立てる様に言った。
慌てて声を出したせいか、少し息切れをしていた
お師匠は深くため息をつき、涙を流す。
嗚呼、やらかしたかもしれない。
そう思った
「A、行冥の話を最後まで聞いてくれるかな」
「……は、はい」
焦りに任せて感情を剥き出しにしてしまった。
こんなんでは呆れられる一方だ。
聞きたくない。聞きたくない!
「先程といい今といい、私の
申し訳ございません」
耳を塞ぎたかった師匠の声を聞き、
私は耳を疑った
“私の弟子”
確かに私の耳はそう聞いた
「えっ…」
「A、お前も謝りなさい」
「ご、ごめんなさい…」
いや、そんな事じゃないんだ!
「あの、師匠!で、弟子って……」
「忘れたのか、最終選別に合格したら
弟子として認めると言っただろう」
「えっ、あっ、…」
確かに言った。言っていたけれど、
今までの流れじゃまるで……
「毎日毎日うるさい君の声が、
大きい中で震えているのを私は知っていた。
二週間一日も休まずに来ていたが
始まり時刻が日を追うごとに早くなっていたのを
私は知っていた。」
そうお師匠は話し始めた
「君の中にある恐怖心を分かった上で
最終選別に行かせた。
逃げ帰るか鬼に喰われるか…
弟子にするかなど毛頭無かった。」
「…」
「しかし君は生きて選別を合格した。
しかも聞けば鬼に立ち向かい、一匹倒したと」
恭介だ。恭介が話したくれたのだ
「Aの精神はまだ幼子。
しかし、その幼い己に打ち勝ち選別に合格したのは
紛れもない事実」
お師匠の大きな大きな手が私へと伸び
そのまま私の頭を撫でた
「私はお前を認めよう」
その言葉。その言葉を聞いた瞬間、
治った涙がまた溢れた。
私はこの時、初めてお師匠の弟子になったのだった。
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ひより(プロフ) - ヒナさん» うわわ!本当だ!恥ずかしい……ありがとうございます!笑笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 9289657a5e (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 最終選別が最終選抜になってますよ笑 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 34797771fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなこさん | 作成日時:2020年8月9日 0時