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序章 ページ1






きっかけは些細な、本当に些細なものだった




「ひより!また私のお菓子食べたでしょ!」


「お姉ちゃんが放っておいたからだよ!」


「せっかく取っておいたのに、なんて事するのよ!」




やんちゃな妹の些細なからかいだった




「やめなさいA。
お菓子くらいで騒ぐものじゃありません」


「Aはお姉さんなんだからな」


「父さんに母さんまで…!」


「そうそう!そんなに怒る事じゃないよ」


「ひよりもいい加減にしなさい」


「…はぁい」




しかし、妹ばかりに味方していると
勘違いしてしまったのだろうか




「何よ!みんな寄ってたかって

もうひよりなんて大嫌い!」



そう言って姉は飛び出した。
そして姉はいつものように蔵に籠もった


妹と喧嘩した時、母に叱られた時、
飼っていた犬が死んだ時

悲しくなったら姉はいつも蔵に籠もった


姉は知っていた。
父も母もいつもは優しい。
妹だって時々さっきみたいに悪戯をするけれど
いつもは優しく、姉思いだった。




「……大嫌いだよ」




嘘だった。
姉は妹が大好きだった。
父と母も、同じくらい大好きだった。

妹が姉に構って欲しくて悪戯をしたことも
姉は知っていた。
父と母が姉を思って叱っていたことも
姉は知っていた。

しかし、まだ十二の幼い姉は
それが理解できてても感情を抑えられなかった




「…お腹すいた」



もう夜なのに夕食を食べてない。
姉は蔵を出た。




「……父さん、母さん、ひより?」




おかしい。電気が消えている




「ね、ねえ返事をしてよ」




暗い廊下を怯えながら歩く。
さっきまでとは違う、異質なものを
姉は敏感に感じ取っていた。

居間近づくにつれ濃くなっていく
鼻がねじ曲がるような嗅いだことのない匂い
そして異質な気配


覚悟を決めて居間の襖を開けた




「えっ……」




下半身のない父、妹を庇うように血塗れで倒れる母。
畳は赤黒く染まり障子には血飛沫が飛んでいた




「ぃや、いやあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ‼‼」




それが、私の幸せが壊れた瞬間だった。




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設定タグ:鬼滅の刃 , 原作沿い , 継子   
作品ジャンル:アニメ
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ひより(プロフ) - ヒナさん» うわわ!本当だ!恥ずかしい……ありがとうございます!笑笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 9289657a5e (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 最終選別が最終選抜になってますよ笑 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 34797771fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなこさん | 作成日時:2020年8月9日 0時

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