気まぐれごちゃまぜアニメ短編集。3冊目

【ナンバカ】愛の逃避行【八戒猪里】　はるさんリク ページ25

鴻上 A ―Kogami―

２３歳女

身長１６０cmの美人さん
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貴女side


「本当に綺麗だわぁ、A」
「こんな綺麗なお嬢さんが息子のお嫁さんだなんて嬉しいわぁ」

純白のドレスに身を包んだ私を褒めちぎる母と義母

今更私に媚びてこないでよ気持ち悪い

『一人にして、気分が悪いの』
「あらそう？式は３０分後だからゆっくりお休みなさいね」

二人が出ていくと、途端にしんと静まり返った部屋

式まで３０分しかない

そう思うと時計の秒針が妙に大きく聞こえて、私の心臓もバクバク音を立てる

嗚呼、嫌だ

猪里さん以外の男と結婚するなんて、嫌

何で好きでもない男と結婚しなきゃならないの

何で両親は私の自由を縛るの

何で私の人生のはずなのに私の自由に生きられないの

何で何で何で


「おいおい、泣いたら折角の美人が台無しだぞ」
『いのり、さん』

私と目線が合うように跪いて、まるで王子様のように手を取った

『なん、で』
「窓から入ってきた」

猪里さんが指さした窓は確かに開いていて、風でカーテンがふわりと膨らんだ

『ふふ、かっこいい登場の仕方ですね』
「だろ？」

子供のように無邪気に笑った

そんな彼を見て自然と私も笑みがこぼれた

だがそんな幸せな一時もあっけなく終わりを迎えた

ドアをノックする音が部屋に響く

「A？時間よ〜！」

「A」
『なあに、猪里さん』
「俺と来てほしい」
『え、』

突然の言葉に驚きが隠せない

「お前が他の男と結婚するなんて耐えられない、お前を幸せにしてやれるかどうかなんてわかんねぇけど、それでもお前と一緒にいたい。俺と結婚してほしい」

ポケットから小さな箱を取り出して、私に差し出した

指輪が入った小さな箱

『はい』

私が箱を受けると同時に、扉が開いた

花婿・・・否花婿に成る筈だった人とその両親、そして私の両親

猪里さんの姿に目を見開いた

猪里さんは大きな腕で私を抱えると、窓から飛び出した


教会には絶対聞くことでないであろう怒号を背に

私と猪里さんは笑いあった



ウェディングドレスで貴方と共に愛の逃避行を



end

リクエスト有難うございました！！遅くなってスイマセン！！！！！！

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