夢想家、０１１ ページ13
貴女side
『ここで、構わない』
校内に入り、私を降ろそうと考えていた鬼島にそう告げる
「行ってらっしゃいませ」
『嗚呼』
他者の迷惑とならないよう素早く降りる
鬼島の車が見えなくなってから、私は歩き出した
入学式だからか、校門には人がごった返している
桜を見上げたり、写真を撮ったり
単なる行事だろう。何故一々記念だと思い、写真を撮ろうと思うのか分からない
桜だってそう、そんなもの教室の窓からいくらでも眺めることが出来る
誇らしげな顔で子どもの写真を撮る大人たち
家族という物は、そういう物なのだろうか
彼らを一瞥してから、セキュリティの頑丈そうな校門をくぐった
・
・
・
無駄にデカい。そして広い。
歩いて数分経つが、中々教室にたどり着かないことに苛立ちを感じる
というか、いくらつぎ込んだらこんな豪邸のような高校が作れるんだ？
卒業生のプロヒーローや政府の御偉い方、大企業の社長なんかが投資でもしてるんだろうな
夢の無い。流石、へそ曲がりな私。
自分自身を称賛し、鼻で嗤っていると、やっと教室にたどり着いた
・・・無駄にデカい
扉に手をかけ、開ける
時間的には余裕があったが、過半数以上の生徒が既に教室に居た
・・・カラフルだな。目がちかちかする
黒板に貼られている座席表を確認し、自分の席に行こうとすると、ポンと肩を叩かれた
振り返ると、人よさそうな笑みを浮かべた赤髪の男
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・切島か』
「オイッ！！なんだよその間！！」
名前を絞り出すのに大分時間がかかった私に声を荒げる切島
『染めたのか。大分印象が変わったものだから気付かなかった』
「そーかよ」
それでもまだ、不服そうな顔を浮かべている
『お前は赤がとても似合うな』
「・・・また、お前は・・・」
今度は何が不満なんだ
思った事を口に出しただけだというのに
『で、何だ』
「あー、お前に礼を言おうと思ってさ」
『私に？お前が？何故』
「お前のフォローのお陰で合格できたもンだからさ」
『合格できたのはお前の実力だ。私は情報提供しただけであってお前をサポートした訳ではない』
「そこは素直に“どういたしまして”でいいんだよ。お前素直じゃないなー」
『そうか』
呆れたように肩をすくめる切島
お前は私の保護者のつもりか
鬼島といい切島といい口煩いのが多いものだな
まあ、悪い気はしないな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 790人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉愛 - 令さん» 凄いです！面白いです。なんか、こう…凄い上手くて文才とか凄くて、何か…もう、神です‼️神作品ですよ❗️その文才ほすぃ。/( ._. )\ (2022年1月22日 20時) (
レス) @page4 id: 13ff3c2d30 (このIDを非表示/違反報告)
令(プロフ) - ゆめさん» そんな！！ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2018年2月27日 14時) (レス) id: c2c0bf616b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 文才すげえ。面白いです！これからもがんばってください！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
令(プロフ) - ホデリさん» ありがとうございます！ゆ、雄英には来てますよ・・・？ストレートなそのお言葉が何よりうれしいです！更新頑張ります！！ (2018年1月22日 16時) (レス) id: c2c0bf616b (このIDを非表示/違反報告)
ホデリ(プロフ) - やばいです！！！面白い！！早く雄英に行って欲しい！！ガチめに好きでふ！！！ (2018年1月20日 9時) (レス) id: ed3662b0d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
