仮眠室の住人５ (ページ6)

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side ; 世良

A「何をしたいのかわからないけど、もし先生の邪魔をするなら、わたしもそれなりのことさせてもらうよ。」

渡海先生に似た笑い方でぼくたちを交互にみるAさんは、きっと知っている。ペアンの写真をみて、ひとつも表情を変えなかった彼女は全てを聞いているはずなんだ。

A「…余計なことしないで？」

小さく笑った彼女が出て行こうとしたとき、また次の来客が。黒崎先生と渡海先生がなにやら言い合いをして部屋に入ってくる。やばい……と思ったその瞬間、ぼくが手にしていた写真に目を光らせた黒崎先生がそれを奪った。

黒崎「……どこでこれを」

渡海「返せ。俺のだ」

黒崎「どうしてお前がそれをもってる」

続く沈黙。渡海先生はなにも話そうとしない。

黒崎「逆恨みか……。東城大の恥さらしの息子が！」

痺れを切らして荒げた声にAさんが顔をしかめる。黒崎先生が感情的に言ってしまったであろう「出て行け！」に素直に応じた渡海先生は、一体これからどうするのだろう。

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