154 たくらみ ページ14
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___ さん、Aさん、
わたしの名前を呼んで体を揺する、だれか。ゆっくり目をあけ、ぼんやり見えてきたものは、いつかのデジャヴ。研修医とかいてある名札の先には、出会った頃よりたくましくなった彼がいた。
「……世良くん？」
世良「はい。渡海先生に呼ばれてお邪魔しました」
「いま、先生は？」
世良「それは………」
バツが悪そうに顔を歪めた世良くんがスクラブのまま外へ出てきたということ、肝心の先生がいないこと、今までに起きた一連の出来ごと。いやな予感がした。
世良「佐伯教授が心筋梗塞になって、病院に」
一刻を争う事態であることはわかっている。でも、ついさっき黒崎先生に追い出されたばかりの先生が素直に処置をしようとしているとは考えられない。絶対になにかを企んでいるはず。
「世良くんを呼んだのも、わたしを連れて行きたくなかったからだと思う。余計なこと言うんじゃねーよ、とか言われたでしょ？」
世良「………」
ベッドから飛び起きて、髪をポニーテールにする。近くにあったヘアフレグランスで気合いを入れ、鍵を持ったら「どうするんですか？」って、後ろから世良くんの不安そうな声がした。
「行くよ。まだ間に合う。」
世良くんは、わたしを起こしてまで教えてくれたんだ。何かが起こりそうと感じたのは同じでしょ……？ 大丈夫、まだ時間はある。
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続く (更新停止中)
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作者名：くまこ
| 作成日時：2019年9月15日 21時
