086 天使 ページ16
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side ; 渡海
こいつも酒を飲んだのでは？と思うくらい、熱くてうるうるとした瞳には期待と不安が渦巻いている。「連れて行けばよかったな」って今なら思うけど、何となくいじわるをしたくなるのが男って生き物で。すきな子にはちょっかいをかけたくなるって言うでしょ？
「寂しかったんだ」
A「……うん」
「会いたかったんだ」
A「っ、」
頬を赤らめて視線を外す彼女の、ぷくっとした唇に白い肌、華奢な体や艶のある髪……この全てが今さっき食べたメシよりもおいしいことを俺は知っている。1番うまいことを。我慢出来ずにもじもじしているあなたが、俺も欲しくなってきましたよ。食べたくなってきましたよ。
A「んっ。」
かるくキスをすれば、シャツを握ってまだまだ足りないなんて顔で無意識に煽ってくるから、こっちが余裕そうに振る舞うにも限界があって。「先生もっと」と囁く天使の声が追い討ちをかける。
「ったく…、」
A「ねぇ、せんせ」
「わーかったから」
こんなに珍しくてかわいいお誘いを断るわけにはいかないですから。じっくり、ゆっくり、たのしませてもらいましょうか。
「お望み通り、抱いてあげますよ」
まだなにも慣れていないAに覆いかぶさって「せんせい」としか言わない唇を塞ぐ。奥で引っ込んでいる舌を誘い出して絡めとって、ときどき甘い声を漏らして……そんな下手くそなキスがかわいくてたまらなかった。
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作者名：くまこ
| 作成日時：2018年6月29日 21時
