仮眠室の住人３ (ページ11)

今日:22 hit、昨日:12 hit、合計:650,573 hit

081 初々しいページ11

.

「ダーウィン？」

小春ちゃんを救う方法として、手術支援ロボット・ダーウィンを提案した高階先生。高画質の映像と3つのアームを動かすことで、超精密な手術が機械で出来る。また、開胸ではなく小さな穴を開けるだけで出血もほとんど無いため、小春ちゃんにはぴったりだ。

「高階先生、大丈夫ですかね」

渡海「……放っとけ」

「あ、この栄養ドリンクでもあげますか」

ぴかぴか光る自動販売機を前に迷うわたしのとなりで「早く押せって。俺もひまじゃねーの」と先生が急かす。小春ちゃんの主治医を外された高階先生に代わって、新しく担当することになった渡海先生。だけど、やっぱり外された彼のことは気がかり。

渡海「タイムアップ」

「あー！勝手に！」

渡海「これでしょ、ほい」

キンキンに冷えたジュースをほっぺに当てられてびっくりするわたしに「いや、俺ら高校生かよ」なんて照れ隠しをしながら、くしゃっと自分の髪を触るの。

渡海「冷たっ」

「ふふふ仕返しですよ～」

本当に高校生みたい。しょうがねーな、って彼の表情はひとつ上の大人の対応。きゃっきゃと嬉しがるわたしに「はいはい行くよ」って余裕ありげに笑い、先生は背を向けて足を進めた。

.