となりのプリンス ( 2 ) (ページ9)

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ナナちゃんに抱きとめられたAちゃんは、糸が切れたようにぼろぼろと泣き始めた。体の力が抜けて、へなへなとしゃがみこんで泣きじゃくる姿。

落ち着かせようと背中を撫でてあげるナナちゃんと、安心しきって全てを委ねるAちゃん。うらやましいくらいの関係に思わず笑みがこぼれそうだけど、今はそんな呑気なことを言ってられない。

ナナ「 A？なにがあったの」

ゆっくりでいいから。ってAちゃんのことをちゃんとわかって、だけど自分もその涙の理由を知りたくてうずうずしているのはナナちゃんだけじゃない。僕も一緒だ。

A「 … 、ユキさんは……… 」

ナナ「うんうん」

A「本気だったよ………っ、かずくんに」

保健室にいるニノを迎えに行くとそこにはユキちゃんがいて、いかにもコトを終えたような格好をしていた……

一瞬でもユキちゃんとふたりきりの時間を過ごしたAちゃんは一体なにを思っただろう。なにか話をしたのかもしれないし、動揺して飛び出してきたのかもしれない。

A「 ……こんなにすきなのに。」

「 Aちゃん、」

いつも朝からかわいい髪型をして、先生に怒られながら軽くメイクもして、どんなときでもニノのために頑張っていたAちゃんが今にも壊れそうで……見ていられなかった。

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