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くっつきそうで、くっつかない。自分たちでその状況をたのしんでいるのではないかと思うくらいの駆け引きは、当の本人たちよりも僕たちの方がたのしませてもらっている。
それにずっと頭を悩ませている両者。スッと視点を変えてみると、答えはすぐにでも見つかるものだと思うけど。頭のいいニノは、すこしでも計算が狂ってしまうとどんどん深みにハマっていくタイプなのかもしれない。
和也「 この関係が終わるかもって思っていたのに、自分では止められなかった。頭のどっかでそれでもいいかって思うところがあったんですよね、あの瞬間…… 」
「 けど、ちゃんと抑えられたんでしょ 」
和也「 ……抑えられたっていうか誘導したんですよ、自分のために。自分を止めるにはあいつしかいなかったから……。まぁ最後は試したところもありますけど 」
「 試した？ 」
顔は見えないけど、落ち込んでいるということはわかる。Aちゃんのために……そういう気持ちもあったと思う。だけど、最終的には自分のため。情けないよね、つぶやく声だけ耳に残る。
和也「 Aはそれでいいのかって。望んでいたものじゃなくても、俺だったらなんでもいいのかって、ね 」
「 Aちゃんなんてニノしか見えてないんだから、なんでも受け入れるでしょ。そんな子に選ばせるなんて、ニノらしくないね。 」
Aちゃん、大丈夫。だいすきな気持ちは全て届いているよ。やり過ぎだったかもしれないくらい十分に。「 どうすっかな〜 」と、Aちゃんのことで頭を悩ませている姿がなによりの証拠でしょう。
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作者名：くまこ
| 作成日時：2018年11月19日 0時
