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和也「 A……？ 」
「 ……ぐす、っ 」
ぐずぐすしていても仕方ないのはわかってる。ちゃんと現実を受け止めて、ユキさんに言い負かされないように強くならなきゃいけない。あなたに守られるだけじゃだめだよね。いつ、かずくんがいなくなるかもわからないのに……
和也「 ちゃんと話そう？ 」
「 やだ。 」
和也「 俺に言えないこと？ 」
「 ……っ 」
かずくんはナナからわたしを引き離して膝の上にのせた。俯いたままなにを聞かれても首を振るだけのわたしに智くんが「 今日は終わりにしよう 」って助け船を出してくれた。
ごめんなさい。なにも答えられなくて。目の前のシャツをぎゅっと握れば、顔も見せていないのに上手に涙を拭ってくれる。あぁ、すきだなって思うのに。さっきまでのことを思い出して脳がブレーキをだすの。
ユキ「 二宮くーん 」
和也「 今日は帰って。 」
ユキ「 え〜。こんなに待ったのに？ 」
「 さっき送ってくれるって言ったじゃん 」って、懲りずにかずくんへ言い迫るから彼の体を突き放して、わたしはその場から逃げようとしたのに。かずくんはびくともしなかった。
和也「 もう黙って 」
ユキ「 ……え？ 」
和也「 しつこい女はいらねーの 」
彼がそう言った途端、静かになって帰っていく彼女。一安心のはずなのに、わたしたちの間には不穏な空気が流れていた。
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作者名：くまこ
| 作成日時：2018年11月19日 0時
